オーロラを求めてYellowknifeの旅 2024 (前半)

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Day 1

前代未聞の進路と速度であった台風10号の影響で、交通網は混乱した。前週に発生し、出発前には日本を通り抜ける予想であった台風10号。 九州でジョギング程度の速度になり、停滞。いつ、本州を通り過ぎるのかわからない状況が1週間続く。東海道新幹線は、出発2日前まで3日連続計画運休という、状況だった。

5年ぶりとなる海外旅行。一年前からの計画だっただけに、その不安は大きかった。最後には、 天気予報を見るのをやめ、ただ目の前の仕事に打ち込む日々を送る。

その日は訪れた。日曜日の朝起きると、台風は、まだ四国にいて、温帯低気圧に変わる予想となっていた。飛行機が飛ばない理由はなかった。

曇り空、12時のYCATで成田へと向かう。1hr 40m快適なバス旅。

空港につくと、昼食に川栄のうなぎを食べる。

その後、チェックインカウンターへ。席が妻とはなれていたため、並びの席に変更してもらう。預ける荷物は、17Kgくらいで4泊6日ということもあり、少な目であった。

手荷物には、カメラ2台、レンズ5本、バッテリーを含め、オーロラ撮影機材一式を入れた。

出国審査は、大きく変わっていた。すべて自動化されており、写真を機械がとり、パスポートを自ら読み込ませる。印鑑は廃止された。味気ない一方、 待ち時間はほぼなしであった。

16:00に出発ゲートへ行き、機内へと乗り込む。17:00の出発。機内では、出発後1時間と、到着前1時間に軽食がでる。 はじめの機内食後は睡眠3時間、それ以外は、ダウンロードしてきた映画を見る。 9時間のフライト、退屈することはなかった。

バンクーバーに到着すると、出国審査前に、はじめてツアーのご一緒する方々と会う。ご高齢の方がほとんどであった。 入国審査も自動であった。乗り継ぎ後もカナダエアのため、そのまま荷物の受け取りなく、国内線へ。3時間くらい、空港で時間をつぶし、4列シートの小さな国内線に乗り込む。

バンクーバー空港を発つと、まず眼下には、海と海辺のバンクーバーの町が見え、その後、青い氷河湖を持つ山々がつらなり、そこを超えると広大な平原、少し眠り起きると、ツンドラの台地がひろがっていた。

果てしなく続く平原と大小さまざまな湖と針葉樹。2時間半で、湖の脇にある街が見え、そこを回り込みながら着陸態勢に入る。空港は、小さな地方空港よりさらに小さいもので、これが有名なイエローナイフの空港かとびっくりした。

気温は10度以上はあるであろうか。半袖トレーナーで少し肌寒い程度。空港から出るとバスのお出迎えがあり、ダウンタウンのnova innまで15分程度で向かう。

ホテルは町はずれにある小さな少し古めの建物であった。

22:30にオーロラツアーに向かうため集合することを告げられ、お部屋で少しのんびりする。 18:00だというのに、昼間のように明るい。まだ9月、北緯60度では、日没が10時過ぎのようだ。

22:30 いよいよオーロラの撮影に出かける。

今回は高坂カメラマンが同行し、一番よいポイントを見つけてくれるという企画であった。 なので、目的地は決まっていないようだ。バスの運転をしていたデービットが社長さんで、多くの湖のコテージを所有しているようだ。

バスは定刻通り出発するが、天気はというと、雨。今晩は、絶望的に思われた。長旅で少し疲れていたのもあり、今日はいいかというど気持ちもどこかにあった。 30分ほど走った湖でバスは止まる。Pontune lakeというところにつくが、小雨が降り、人も多く、下見をしたガイドさんが帰ってきて、今日はここではないですねという。

さらにバスは走り、少し先の湖のほとりに着く。雨はやんでいた。真っ先に湖に向かい、湖の反射を確認に水べりに進むと、泥沼で、膝まで泥の中に埋まってしまった。

場所を決めた後、機材を組み立てる。新月の中、光はなく、真っ暗闇の中で機材を組み立てるのは、とても難しい。

カメラにレンズを付け、マニュアルフォーカスに切り替え、バルブモードに設定、カプラーとバッテリーをつなぎ、レンズヒーターもつけ取り付ける。さらに、星にピントを合わせフォーカスを固定する。

しばらくすると少し空にカーテンが現れ始める。

またしばらくすると、雲が薄くなり、そして、オーロラのカーテンが動きだす。

そして、頭上でうずを巻きだす。 強い光が地上へと降り注ぐ。

オーロラは、はるか彼方から続き、幾重にも折り重なる。

技術面では、オーロラには、動きがあり、明るさも絶えず変化するため、星景写真とは違った難しさがある。出発前に、知り合いのカメラマンさんから、”初日は練習ですよ”と言われたことが理解できた。

湖の上が曇りだったことから、湖面にうつるオーロラを撮影することはできなかったが、4チャンスのうちの一回目で、オーロラがみられたことに、少し安心した。

3:00まで撮影を楽しんだ後、宿への帰途につく。

夜の生活が始まった。宿についてからは、軽食を食べ、4:30ごろ就寝する。

Day 2

2日目は、10:00に目が覚める。

すこしのんびりした後、ダウンタウンの観光に出かけることにした。 といっても、ダウンタウンは、ファーストフード店1件、観光案内所などが、こじんまりとまとまった、とても小さな街であった。

観光案内所へ行き、北緯60度の到達証明書と、イエローナイフピンバッチをゲットした。その後、スーパーに生き、パンやフライドチキン、サルサ、チップスなど、当面の軽食を購入する。昼食は、デリのフライドチキン。

14:00 カメラマンの高坂先生によるオーロラ撮影講座があった。オーロラの話も面白かったが、先生の人生も興味深いと思った。

15:00 お部屋に帰り、のんびりする。空は厚い雲が覆い、晴れ間はあまり見えない。 カメラ機器の整備と充電などを行い、夜に備える。

22:30 2回目のオーロラツアーへと出発する。デービットの会社が持つコテージへ行く。Boundary Cabinという森の中のコテージでプライベート感が満点だ。大通りからチェーンを外し、森の中へ、未舗装道路を入っていく。本日の空は雲が厚く、ほとんど空が見えない。

時折、森の木々の上、雲の上でオーロラが強く光っているのは見える。 オーロラは、 太陽風 と、月と、天候がおりなす偶然の産物。思うようにならないのも仕方ない。その分、見えた時の喜びも大きい。

暗い中でのロケハンの後、2時間くら空を眺めるが、難しい時間が続く。コテージに引き返し、スープをいただく。我々が入ると、ガイドさんが、オーロラが今出てたら後悔するからちょっと見てきますねと言って外に出ていく。 とても素敵なガイドさんだな、などと思っていたら、ガイドさんがすぐに返ってくる。”出てますよと。”

雲の上ではあるが、確かに強いオーロラが見える。

本日は針葉樹の森の中。前景に針葉樹を配置したオーロラが撮影できるかもしれない。移動しながら、針葉樹の森とオーロラが撮れるうまい構図を探る。プラプラとはまりのよい前景を探していると、いきなり雲が切れ、頭上でオーロラが暴れ出す。

来た。ISOを少し下げ、露光時間を短くし、オーロラのカーテンとその線をあぶり出す。

木々を多く入れるか、オーロラの根本を入れるか。15mmの広角レンズでも画角が少し足りない。それだけ大きな景色なんだなと思う。

住んでいれば、いい写真が撮れるのになと、いつも旅の時に思うことをまた思う。が、住んでいる人は、この景色には、慣れていて見向きもしないのだから不思議なものだ。

オーロラがしっかりと見えたのは15分程度。でも、針葉樹の木々と、オーロラを入れたイメージに近い写真が撮れた。

3:00にコテージを離れ、ホテルへと向かう。

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