天の川と景色を入れた、いわゆる星景写真を撮りたいと思った。撮影機材、撮影方法を学び、そして様々な場所に行ってみた。
伊豆下田
2022/2/26 あと少しで新月、ならば天の川が見れるのではと、車を走らせ下田へ向かう。南に出る天の川。南に海しかない下田は、有名な撮影スポットらしい。新月の5日前であったが、月も小さいしと思い、金曜日の夜、下田へと向かう、しかし、ひとかけの月明かりがこんなに明るいとは。下田へのドライブは楽しかったが、はじめての星景色写真は、三日月の明るさを知る機会となった。
夜中に、空だけを眺めていることは、今までの人生でない経験であった。
八ヶ岳キャンプ
2022/3 八ヶ岳でキャンプをする。3月、天の川は南の空低く、深夜に現れる。南の空は、甲府の明かりで明るいが、天空は星で満たされている。
この季節の天の川は、夜中の2時くらいから、南南西の空に横たわった形で現れる。少し眠いはずだが、気温は3~5度程度と寒さが勝ち、あまり気にならない。づっと、空を眺め、星々に包まれる。
日の出の前になると、徐々に空が明るくなる。天の川が、天空の星たちが、すーっと薄れてゆく。見えないけど、昼間もずっとこの星々は回っているんだと思うと、なんだかロマンを感じる。
精進湖
新月の夜。精進湖に向かう。 湖、富士山、天の川という構図を撮影してみたかった。精進湖に12時に到着すると、空は 絶望的な曇り。星は見えない。駐車場で少し仮眠をとり、3時に車の外に出る。
ん、晴れている。
3月の富士五湖、10度以下の環境であったが、撮影に熱中すると寒さは気にならない。
正面の富士山の脇に、金星、火星、木星が並び、空には天の川、地上に富士山と、精進湖をいれた写真を撮影する。
全国育樹祭記念公園
富士山のふもとに、こんなところがあるのかと驚きの、全国育樹祭記念公園。富士山には少し雪が残る。肉眼で天の川が見え、富士山に天の川がかかる景色がみられる。この公園、広いのに人は少なく、ほぼ独り占めできるのも魅力だ。
ナビをたよりに行くが、公園の横には着いたが、入り口がわからない。少し林道みたいなところを通って公園につく。駐車場からも、どちらへ行っていいのか不安があるような少し悩むような公園。少し坂を下ると、とても広い整備された原っぱにでる。トイレも完備されている。後ろを振り返ると、正面には森、その後ろに富士山が見える。
真っ暗な中、いろいろ探すのは、とても不安。ロケハンの重要さを知る。
一晩中星を追い、いろんなレンズや、露光時間、ISOなどを試す。明るくなるまで、一心に星を追う。星が消えると駐車場に帰り、車の中で少し休む。今回は、フリーソフトで比較明合成を行ってみた。
御岳山
2022/5 御嶽山 大平展望台。東京から6時間程度のドライブとなる。
以前、痛ましい噴火の直前登山をした。すごい煙が音を立てて、岩間から出ていたのを思い出す。信仰の山として多くの地蔵があったことや、夜中に着くと、空に見たこともないようなたくさんの星があったことを覚えている。
中央道を諏訪へ向かい、その後、木曽駒ケ岳のトンネルを抜け木曽へ。開田高原を抜け、御嶽山のふもとへ、そこから山の斜面を北に回りこみ、目的の大平展望台へとたどりつく。
大平展望台は、御岳山の北側。展望台自身は、草木が生えて、あまり景色がない。
そこからさらに先に行くと、切り立った崖沿いから御嶽山の展望が開ける。ひたすらロケハン、そして、夜を待つ。00:00ごろ、御嶽山の真上に天の川が横たわる予定。
1日目は、天の川が御嶽山のちょうど上に来る直前、23:30になり、御嶽山に雲がかかる。あと30分であったが、その後晴れることはなく、雪まで降ってきた。
2日目は、下呂温泉側に少し下山し、買い出しを行った後、撮影場所に戻る。昼食、夕食を車の外で自炊。南向きの斜面、昼は直射日光が当たり、かなり暑い。22:30ごろから天の川が現れ始める。
御嶽山と天の川
山を外して、木々の間から撮った天の川も素敵だった。
地上から天上へとつづく天の川、真っ暗な天上を見上げれば、見たこともないほどの星々。一つ一つの星だけでなく、ところどころに星の固まりが見える。 すごい。涙がおこみあげてくるほど感動しながら、3時ごろまで星を見上げ続ける。
朝、明るい陽射しで目が覚める。写真をとっていたのと同じところに立つ。目の前には太陽と、新芽を出そうとする少し赤身をおびた木々たち、そして小鳥のさえずり、すこしひんやりとした空気。
昨日見ていたものは、いったいなんだったのだろうか?
木曽駒ケ岳
仕事が終わり、長野へ出発。駒ヶ根駐車場へと向かう。1:00に到着、空を見上げると、すでに天の川が見える。そしてすぐに眠る。4:30 起きてバス停に並ぶ。すでに10名程度並んでおり、5:00になると長い列ができていた。バスでロープウェイまで、その後、急峻な斜面の上をロープウェイで千畳敷カールまで。
快適なのか、山登りの醍醐味を失っているのか?考え方次第かと思う。
千畳敷カールから、テントを背負って山を登る。
カールを登りきると、目の前にそびえたつ宝剣岳。
中岳からの木曽駒ケ岳。ふもとに、頂上山荘が見える。我々が今晩止まるテント場だ。
時間があるので、テント設営の後、木曽駒ケ岳に登る。眼下には、テン場。
9月は、天の川の上がるのも早い。今回は少し月も出ていたが、天の側を撮影する。
背負ってきたテントと、天の川。
街のあかりに照らされる雲と、沈みたての月の光と、まっすぐに立った天の川と。
朝、ご来光を拝みに、再度木曽駒ケ岳に登る。甲斐駒ヶ岳のよこから太陽が昇る。
後ろには、太陽に照らされる、御嶽山。南アルプス、北アルプスが見えるのが、中央アルプス木曽駒ケ岳の魅力でもある。しばらく壮大な景観を楽しんだ後、テントをたたみ、下山する。
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